私の弟は知的障害を持って産まれました。姉としての葛藤を綴る

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私の弟は知的障害を持って産まれました。姉としての葛藤を綴る

私は3人姉弟の真ん中っ子です。
2歳年下の弟は、知的障害者を持って産まれました

物心付いたときには、当たり前だったので、障害を持ってるという事実を知ってショックを受けたことはないです。

幼稚園〜中学まで、2歳差なので同じ学校に通うことがありました。

アイツの姉」ということで、隣のクラスから男子がわざわざ見に来たり、聞こえるように弟の嫌味を言われることもありました。

高校に進学してからは、弟との付き合い方に悩んで距離を置いたこともあります。

大学で実家を離れ、結婚してアラサーになった今、知的障害の弟に思うことを書いておきたいと思いました。

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 知的障害をもった弟の「姉」として葛藤したこと

弟の障害は、自閉症・知的障害者・コミュニケーション障害が組み合わさっています。

アラサーになって、初めて弟の障害について詳しく知りました。

母によると、日々少しずつ成長はしているけれど、頭脳的には3歳レベルのようです。

今は割と柔軟になりましたが、着る服は必ず赤いTシャツと黒いカーゴパンツ、いつも同じ黒いスニーカー、髪切を切りたがらないなど…同じものに執着して変化を好まないこともあり、なかなか理解しがたいこともありました。

同じことを繰り返し聞いたり、ずっと問いかけたり…そもそも何を言いたいのかわからないし、話の邪魔でした。

弟に寄り添うことができず「うるさい!」で一喝して彼の言いたいことを遮ってしまうことも多々。

周りと違う「普通じゃない」ということが私の中ではすごく大きな問題で「普通」になるために無理に自分を無くして目立たないようにしていました。

本来の自分を押し込めているのが苦しくて、姉としても不甲斐なくて、自分が大嫌いでした。

同級生のお兄ちゃんと比べて自己嫌悪…

小学生の同級生にも、知的障害を持ったTくんがいました。

特別学級には行かず、普通学級で机を並べて勉強していました。ですが、いじわるをする子は必ずいるもので、男子からいじめられていることもありました。

そんなとき、いじめている同級生を叱るTくんのお兄ちゃんを見て「あんなこと私にはできない…かっこいい」と思いました。

その反面、私は学校で弟に会っても他人のフリ。姉弟であることを隠したくて仕方なかったです。

弟が学校の人たちとトラブルを起こすたびに「姉弟なんだから何とかして」と言われ「姉弟だって違う人間なんだから私に言ってこないで!」ってやり場のない怒りが込み上げました。

後から知りましたが、障害を持った兄弟とは別々の学校に通う人もいるみたいですね。

私も、Tくんのお兄ちゃんみたいになれたらよかったけれど、私みたいに弟に優しくなれず、自分を押し殺して苦しくなるくらいなら、別々の学校に通うのも全然アリだと思います。

周りの目を気にする自分

みんなと違う」ということは注目を集めます。

弟と出かけると、言動でぎょっと怖がる人や、クスクス笑う人もいます。

以前よりは私の心も強くなってはいるけれど、やっぱり注目されると逃げたくなります。そして、そんな弱い自分も嫌になる。

家族である私にとっては、弟という人間がわかっているけれど、知らない人からしたらやっぱり「何者!?危害加えないよね?」っていう不安があると思います。

でもこれは、生き物として身を守る上で当たり前の反応なので仕方ないし、他の人がどう感じるかは自由

とはいえ、人目は恐怖です。まだまだ私の課題です。

今でも成長し続ける弟

頭脳的には3歳児レベルではあるようですが、心と頭は日々成長しています。

仕事でお世話になっている作業所の人間関係で社会のルールや人との付き合い方を覚えているみたいです。反面、ストレスの原因にもなっているようですが…

ここ数年は、免許を取って甥っ子・姪っ子を車で送迎したいらしく何十回も筆記にチャレンジしたり、ペイペイ、クレジットカードの使い方を母から教わり、ルールを覚えて病院やお店で使っています。

近頃は、ゲームも玩具もインターネット通信が当たり前になりました。弟は覚えるのも呑み込みも早いのですが、昔のように「電源を入れれば使える」「仕組みがわかりやすい」ものでないと理解が難しいみたいです。

弟でも遊べるゲームがあると喜んで母に「できたよ!」と報告しているそうです。

弟の知り合いがいなくなる寂しさ

弟も30代になりました。近頃は、知り合いの人が定年でいなくなったり、新しい人が入ってきて「自分を知らない人」が増えたことに寂しさを覚えているようです。

健常者であっても、どんな人かわからないと警戒するもの。

障害を持った弟にとって、人となりを知ってくれている「知り合い」は重要な存在です。

弟は、親が天国へ行ったらグループホームに行く予定ではあるものの「さみしさ」「孤独」「頼れない」がないように、私がサポートしたいと考えています。

どういう風に着地するかはわかりませんが、弟をいつでも助けられる私でありたいです。

甥っ子、姪っ子に越される叔父さん(弟)

私と姉には子供がいます。弟にとっては甥っ子と姪っ子ですね。

小学校2年生になる甥っ子には、既に言葉やコミュニケーション能力は越されています。

私の子どもは1歳ですが、これから叔父さんを越していくのでしょう。

甥っ子、姪っ子が大きくなっても、叔父さんの理解者でいてほしいと思います。私の勝手な願いですが…

「健常者」と呼ばれる人と比べると、確かにできないことは多いかもしれません。でも、弟の「人を許す優しさ」は凄いと思っています。

心の在り方は、弟を見ていると勉強になるし、なかなか辿り着けない境地だよなぁと痛感します。

不安は沢山ある

今は両親がいるけれど、ずっとそばにいてくれるわけではありません。

長女と次女の私は、関東で暮らしています。仕事、家庭があるのでフットワーク軽く弟に会いに行けるかといわれたら時間的にも金銭的にも難しい…

会社員卒業するために行動しているのは、家族に何かあったときに時間やお金が理由で助けられなかったなんてことが無いようにしたいからです。

子供を産むことだって、もしも障害児が生まれたら?と思うと、母のように立派に子育てできるかなと不安がよぎることもありました。

まだまだ山積するモヤモヤたち。少しでも解消できるように、これからも記事を書いていきたいと思います。

この記事を書いた人

宇宙の法則やスピリチュアルを生活の中で実践しています。30代1児のママ。

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